みずほ銀行オンライン・システム障害について 〜 注23

公開: 2021年10月27日

更新: 2021年10月27日

注23. 人月の神秘

IBMでOS/360の開発を指揮し、開発に1年以上の遅れを生じさせた経験から、ブルックスは、ソフトウェア開発プロジェクトの進捗は、「人月」では表現することができないと考えた。この経験に基づき、彼は、原題で「人月の神秘」と題した、ソフトウェア工学のエッセイを出版した。彼は、プロジェクトの各担当者から報告される、「xx人月の遅れです」と言う表現での「遅れ」を足して、それに見合う人員を補充しても、全く遅れを取り戻すことができず、さらに遅れが増大することに気付いたのである。これは、主として追加された人員に対する教育のもんだいと、人員が増加することで、人の管理が複雑になるからである。ブルックスは、ハードウェアの開発では、しっかりと機能する「人月」という単位が、ソフトウェア開発では、全く意味をなさないことを警告した。

参考になる読み物

ブルックス, F.著、「ソフトウェア開発の神話」、企画センター(1983)